【初心者必見】AI時代の常識RAG×MCP完全攻略:取り残される前に学ぶ7ステップ

MCP
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YUTECH(ユーテック)|AI×Biz

スタートアップ創業から大企業でのM&A・事業開発まで幅広く経験し、現場で得た知見を基にAI活用や新規事業コンサルティングに取り組む実務家。

このブログではノウハウ紹介にとどまらず、「AI時代をどう生きるか」という視点から、主体的に活用するためのマインドや努力の方向性を発信。成功も失敗も含めた実体験を共有し、読者が挑戦に踏み出すヒントを届けています。

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  1. 1. 導入:なぜ今「RAG×MCP」を学ぶべきか
    1. 1-1.いま、働いていてこんな悩みはありませんか?
  2. 〈比較表〉まずは全体像をサクッと
  3. 1-2. なぜRAG×MCPは「社会の常識」になるの?
  4. 1-3. 本記事で手に入ること
  5. 1-4. 読み方ガイド(途中で挫折しないコツ)
  6. 私のRAG×MCPの体験談
    1. 参考(この章で触れた情報)
  7. 2. 基礎の超要約:RAG / MCPを1分でつかむ
    1. 2-1. RAGとは(埋め込み→検索→生成)
    2. 2-2. MCPとは(AI用“接続の標準規格”=外部ツール/データと安全接続)
    3. RAG×MCPの仕組みの主役は3つ(誰が何をする?)
    4. 2-3. RAG×MCPの関係(RAG=事実参照、MCP=行動・連携/一緒に使うと業務に直結)
  8. 3. 本編:RAG×MCPを一気に理解する「7ステップ」
    1. 3-1. ステップ1|目的定義と対象範囲
  9. 3-2. ステップ2|RAGの土台づくり(データ整備)
  10. 3-3. ステップ3|ベクトルDBと埋め込みの最小構成
  11. 3-4. ステップ4|プロンプト設計と根拠提示
  12. 3-5. ステップ5|MCPの理解(最短)
  13. 3-6. ステップ6|MCPで業務データと接続する
  14. 3-7. ステップ7|評価・運用(落とし穴を回避)
    1. この章の参考(出典とURL)
  15. 4. すぐ使える事例の紹介(写経できる“型”だけ)
    1. 4-1. 社内FAQ(RAG×MCPの最短テンプレ)
    2. 会話の流れ(RAG→MCP)
    3. まずやること(To-Do)
    4. この仕組みは問い合わせ対応にも応用できますね!
  16. 4-2. 営業/CS向けドキュメントQA(回答+起票・通知まで)
    1. これを作ると何がいい?
    2. 用意するもの(最小)
    3. 会話の流れ(RAG→MCP)
    4. 出力テンプレ(例)
  17. まとめ

1. 導入:なぜ今「RAG×MCP」を学ぶべきか

1-1.いま、働いていてこんな悩みはありませんか?

社内に情報はあるのに、探すor聞く→読むor教えてもらう→理解が面倒(ムダが多い)

情報が溜まっているツールやデータの形式がバラバラでつながらない(手作業が残る)

AIが流行っているが、誤情報やセキュリティが不安で一歩目が出ない

ここを助けるのが

RAG(ラグ)=AIが資料を探して、根拠つきで答えるしくみ。
MCP(エムシーピー)=AIが会社のツールと安全につながるしくみ。

です。


〈比較表〉まずは全体像をサクッと

項目RAG(検索拡張生成)MCP(モデル・コンテキスト・プロトコル)一緒に使うと
役目AIが資料を探して要点を答えるAIが社内ツールと安全につなぐ探す→答える→手続きまで一気通貫
強み根拠を出せる/最新の情報もOK最小の権限で安全+記録が残る回答と同時に申請等まで進める
マニュアルを引用して答えるDriveやCRMへ接続申請フォーム自動表示

たとえると:
RAGは「図書室でぴったりの本を取ってきて、そのページを見せながら説明する先輩」
MCPは「USBケーブルのように、AIから各ツールへ安全に道具をつなぐ差し口」


1-2. なぜRAG×MCPは「社会の常識」になるの?

①情報収集が検索から“会話”へ移行してきているから。

今までは「ググって読む」。

これからはAIに聞くと、根拠つきで返ってくる
この体験が社内においても当たり前になっていきます。

②バラバラのデータを“安全につなげられる”から

MCPがあると、AIがDriveや社内システムに必要なときだけ、必要最低限の権限で接続できます。

不用意に、漏れちゃいけない情報を、お客さんに回答してしまうことはありません。

③根拠がない答えはNGという要求にもこたえられるから

仕事では「どこに書いてある?」が超大事。

RAGは出典(どの資料にそれが書いてあるのか)を示しやすい。
信頼できる情報か、人間が判断できます。

やらない方がコスパが悪いから

RAGとMCPを組み合わせれば、問い合わせ対応や返答作業が大幅に短くなります。

システムを1,000万円で入れて、年収300万円の人を4人減らせるなら・・・

残念ですが、経営的にはやらない理由がないですよね。

これは、情報を探してきて回答するだけの人は淘汰されてしまう。とも言えますね。

大手が着々と採用を進めているから

主要なAI(Claude / GPT)やクラウドも、RAGやMCPの仕組みを整えています。

使いやすい土台がそろってきたので、どの会社もWEBサイトをもっているのと同じように、
どの会社にもその会社専用のデータベースが出来上がっていきます。


1-3. 本記事で手に入ること

  • RAGとMCPを1分 で理解(次の章でサクッと)
  • 実装するための実務~7ステップ~(目標設定→運用→評価までの解説)
  • そのまま真似できる事例(FAQ、営業/CS)
ゆーてっく
ゆーてっく

今後、ますます導入が進んでいくRAG×MCPの仕組みと実務ステップを前もって知っておきましょう。

AIができる仕事の限界を知ることで、今後自分が身に着けるべきスキルや経験が浮かび上がってきます。


1-4. 読み方ガイド(途中で挫折しないコツ)

  • 最短コース:2章(超要約)→3章(7ステップ)
  • じっくり:1章→2章→3章→4章(事例)→5章(チェック)
  • 今すぐ動く:3章の各ステップ末尾にある「今やること」だけ先に実行

私のRAG×MCPの体験談

私の会社のシステム関連問い合わせはRAGのように検索すると、それに応じて回答をくれます。
社内問い合わせで使ったとき、AIが規程のページを見せながら答えるので、みんな安心して使えています。

さらに、MCPで申請フォームを自動で開くようにしたら、問い合わせと手入力が減り、「もう前には戻れない」と感じています。


参考(この章で触れた情報)

根拠:RAGは「正確性と最新性の強化」手法、MCPは「AI↔外部システムの標準接続」。両者の補完で実務が繋がります。 Anthropic+3NVIDIA Blog+3NVIDIA Developer+3



2. 基礎の超要約:RAG / MCPを1分でつかむ

2-1. RAGとは(埋め込み→検索→生成)

RAG(ラグ)=検索拡張生成

かんたんに言うと、AIが先に社内の資料を探してから答えるしくみです。

RAGのポイントは3つだけ。

ポイント
文章を数の並び(ベクトル)に変える
これを埋め込みと言って、意味が近い文章どうしが近づきます。

文章を数の並びに変換すると何がいいの?

これができる!その1:意味で探せる(キーワードに縛られない)
 同じ意味なら、言い回しが違ってもヒットします。
 例:「定期代の申請」⇔「通勤費の精算」⇔「交通費の手当」

これができる!その2:表記ゆらぎに強い(表記ゆれ・誤字・略語)
 「マニュアル」/「取説」/「トリセツ」/「manual」でも近くに並ぶので、
AIがマニュアルとトリセツって同じ意味なんだな。と理解してくれます。

これができる!その3:文脈でマッチする
 単語の一致ではなく、前後の意味まで加点。
 例:「リモート時の残業」は「在宅勤務の時間外」に近づく。

ポイント
似ている資料をベクトルDBから探す
マニュアルや社内Wikiなどから関連が高い部分だけを取り出します。

ベクトルDB=“意味で探せる図書館の本棚(例)
文章や画像をベクトル(意味の数列)に変えて保存し、
質問もベクトルにして“意味が近い順”に検索して一瞬でお目当ての情報を見つけます。

ポイント③ 見つけた資料を“根拠”として答える
引用や出典を付けやすいので、まちがい(幻覚)を減らせます。最新情報にも強いです。NVIDIA Blog

たとえば・・・RAGは図書室で該当ページを開いてから説明する先輩
出典元となった社内資料が明確だから、信用してOK、ということですね。

2-2. MCPとは(AI用“接続の標準規格”=外部ツール/データと安全接続)

MCP(エムシーピー)=Model Context Protocol

これはAI用のUSB端子みたいなもの。ほかのツールにも差せる差し口

もしこれがないと、AIは毎回バラバラの線で道具につながることになり、
危ない・面倒・壊れやすい状態になります。


MCPは、下の4つの“よくある道具”にAIを安全につなぐためのツールです。


① Drive(ドライブ)=みんなのファイル置き場

  • 例:Google ドライブ、OneDrive など
  • イメージ:学校の共有フォルダ。プリント(PDF)や写真、表などを入れておく場所。
  • 何が便利?:AIがここから必要な資料だけ読んで答えを作れる。
  • MCPだと:「見るだけ」など最小限の権限で接続。編集や削除は禁止にもできる。

② CRM(シーアールエム)=お客さんノート

  • 正式名:Customer Relationship Management(顧客管理)
  • イメージ:お店の顧客カード。名前、連絡先、過去のやり取り、見積の履歴がまとまった名簿
  • 何が便利?:AIが「この会社との最近のやり取りは?」に要点で答えられる
  • MCPだと:検索だけOKにするなど、できることを限定して安全に使える。

③ Wiki(ウィキ)=社内の百科事典/共同ノート

  • 例:Confluence、Notion、社内Wiki など
  • イメージ:学校のきまりノート。ルール、手順、マニュアル、よくある質問をみんなで書き足す場所。
  • 何が便利?:AIが最新版のやり方を見つけて、根拠付きで説明できる。
  • MCPだと:最新版だけ読む、機密ページは入れないなど細かく制御できる。

④ チケット(課題管理)=依頼票・修理伝票

  • 例:Jira、Zendesk、ServiceNow、GitHub Issues など
  • イメージ:「やることカード」。何を・誰が・いつまでに、を記録して進捗を追うもの。
  • 何が便利?:AIが質問に答えたついでに依頼票を作成したり、担当者へ自動で通知できる。
  • MCPだと:「作成だけ」「状態を更新だけ」といったボタン化ができ、承認ステップも挟める。

RAG×MCPの仕組みの主役は3つ(誰が何をする?)

たとえ:ホスト=教室、クライアント=連絡係、サーバー=各教室の先生

役割:許可された道具(ツール)だけを実行し、結果を返す。

ホスト(Host)=AIアプリ本体

  • 例:あなたが使うチャット画面。
  • 役割:質問を受け取り、AIの答えを表示する「居場所」。

クライアント(Client)=通訳兼配線係

  • 役割:ホストの中で、AIの「この道具を使ってくれ」という依頼が通じるように翻訳・配線する。
  • イメージ:連絡係が、正しい先生(サーバー)に正しい依頼を回す。

サーバー(Server)=道具の受付窓口

役割:許可された道具(ツール)だけを実行し、結果を返す。


RAG(正しい情報を根拠付で教えてくれる先輩)だけがいて、

MCP(AI用の接続口)がないとどうなるの?

例|経費の質問を社内のAIにした場合・・・

MCPなし:回答はできても、正しい申請フォームを安全に開けない

MCPあり:RAGで規程を根拠提示→MCPで閲覧専用のフォルダから既定の最新版を参照→申請フォームをユーザーに自動表示できる


例|不具合対応(顧客対応)をAIを使って行った場合・・・

MCPなし:回答後、別画面人がやることカードを作成。→抜け漏れが起きるし、お客さんの待ち時間も長くなる。

MCPあり:RAGで回答を送信→MCPでやることカードを自動で起票&社内チャットへの通知まで自動でやってくれる。しかも誰が何をしたかログも残るので、抜け漏れの確認もOK!

2-3. RAG×MCPの関係(RAG=事実参照、MCP=行動・連携/一緒に使うと業務に直結)

かんたんに言うと:

・RAGは「AIに資料を持ってこさせる」仕組み
・MCPは「AIに安全なコンセント(接続口)を与える」仕組み


3. 本編:RAG×MCPを一気に理解する「7ステップ」

ここからは実務上の順番です。

簡単に理解していただくことを念頭に書いていきます。

具体的にRAGをどう作るの?社内の資料はどうやって読み込ませるの?

等の超具体的な内容は別の記事で詳しく説明します。

開発する予定がない方も

ふーん、こんな流れで問い合わせの自動化とかってするんだなー

くらいに理解しておいてください!


3-1. ステップ1|目的定義と対象範囲

まず“AIに何をさせたいか”をひとつに絞る。
対象が広いと品質が散ります。最初は次のどれか:

  • (A) 社内FAQ:経費/勤怠/PC/規程 など
  • (B) ドキュメントQA:製品仕様/マニュアル/手順書
  • (C) 営業・CS支援:見積条件/不具合の一次対応/導入要件

KPI(効果を測るものさし)も先に決める:

  • 根拠つき正答率(引用と合っているか)
  • 一次回答率(人の手なしで解決した割合)
  • 削減時間(検索→読解→要約→転記の短縮)

やること

  • A/B/Cから1つだけ選ぶ
  • KPIを3つ決め、目標値を置く(例:正答率80%/一次60%/月100時間削減)

3-2. ステップ2|RAGの土台づくり(データ整備)

RAGの質は材料=読み込ませる社内文書の質と量で決まります。
順番は「整える → 分ける → 目印を付ける」。

  • 最新版だけ集める(旧版は「除外フォルダ」へ退避)
  • チャンク設計(= 文章を羅列ではなく小分けにしておく作業):
    • 文章:見出し単位(1〜3段落)
    • 表:行/セル単位で取れる形に
  • メタデータ(タグ)を付ける:
    • 部門/版数/更新日/機密区分等(例:人事_経費規程_v3_2025-08-01_社外秘)

やること

  • 対象の資料10〜50本を選ぶ
  • 見出しで分割更新日/版/機密のタグ付け

3-3. ステップ3|ベクトルDBと埋め込みの最小構成

埋め込み=文章を意味ベクトルに変換。
ベクトルDB=「意味の近さ」で上位を高速検索する倉庫。

  • 埋め込みモデル:日本語強め/多言語対応のどちらかを選定
  • ベクトルDB:まずはFAISSChromaなど軽量でOK
  • 検索設定の初期値
    • Top-k = 3〜5(該当した文章の上位何件を回答の参考にするか

やること

  • 10本だけ埋め込み→Top-k=3で検索
  • 代表10問で「取れたチャンク」が質問意図に合うか目視
  • 合わなければ、チャンク長/タグ/モデルの順で見直し

3-4. ステップ4|プロンプト設計と根拠提示

プロンプト=AIへの指示書。
ここで問い合わせしてきたユーザーへの“答え方”を型にします。

  • 出力の型(鉄板)
    1. 結論(先にズバッと)
    2. 根拠(出典名/見出し/該当文/更新日/リンク)
    3. 次の一歩(フォームや担当、関連Q&A)
  • ガードレール
    • 根拠がないときははっきりと「不明」と回答させる
    • 推測禁止、曖昧質問には聞き返しテンプレで確認
  • 口調:社内向けはていねい+短文、専門語は(カッコで説明) 等

やること

  • 「結論→根拠→次の一歩」テンプレを1つ作成
  • テスト3問で同じ形に出るか確認
  • 根拠の必須項目(出典/見出し/更新日/場所)をルール化して必ず出力するようにする

3-5. ステップ5|MCPの理解(最短)

MCP=AIとツールの“接続口”
登場人物は3つだけ覚えれば十分:

ホスト:AIアプリ本体(チャット画面)

クライアント通訳・配線係(AIの指示を正しい入口へ)

サーバー道具の玄関(Drive/お客さんノート=CRM/社内百科=Wiki/依頼票=チケット 等)

やり取りはJSON-RPCという標準の文法で行い、
「見るだけ/検索だけ/作成だけ」の最小権限ログ(誰が・何を・いつ)で安全運用ができます。

やること

  • 自社のホスト/クライアント/サーバー1枚図にする
  • サーバーごとに許可する道具(ツール)をメニュー表にする
    • 例:Drive=ファイル検索のみ、Wiki=閲覧のみ、チケット=作成のみ

3-6. ステップ6|MCPで業務データと接続する

接続は“小さく・安全に”始めます。
(極端ですが、すべての社内資料へのアクセス+編集権限を与えてエラーですべて消える。とか最悪)

推奨の順番書き込みはテストして最後に実装):

  1. 共有Drive閲覧のみ
  2. Wiki/Confluence最新版を読むだけ
  3. チケット/CRM限定的に書き込みを解放)

守りの4点セットも最初から:

  • 最小権限(必要機能だけ)
  • 鍵(APIキー)は分離・命名・期限・定期交換
  • ホワイトリスト(許可した入口だけAIに開放する)
  • ログ保存重要操作は人の目で確認をする

やること

  • 読み取り専用の1系統だけ接続してみる
  • 「Drive → RAG → 根拠つき回答」まで処理通す
  • 台帳(発行者/用途/期限)を作る

3-7. ステップ7|評価・運用(落とし穴を回避)

“作って終わり”が一番の罠。
2週間サイクル測る → 直すを回します。

KPI(最低これだけ)

  • 根拠つき正答率
  • 一次回答率
  • 平均応答時間
  • 削減時間(1件◯分×件数×人数)

直し方の順番

  1. データ(不足/古い/チャンク大きすぎ・小さすぎ)
  2. 検索(Top-k・MMR・メタデータ絞り)
  3. プロンプト(結論→根拠→次の一歩、推測禁止)

コスト・遅延の三種の神器

  • キャッシュ(同質問は再利用)
  • チャンク縮小(不要文を削る)
  • 再ランキング(ノイズ除去)

やること

  • よくある質問、代表50問をスプレッドシートで管理
  • 2週間でKPIを更新、「原因→対策→担当」を1行で記録
  • 月末にやめる施策/伸ばす施策を決める

この章の参考(出典とURL)

Azure 参考実装:gpt-rag-mcp(GitHub)
https://github.com/Azure/gpt-rag-mcpーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

What Is Retrieval-Augmented Generation?(NVIDIA Blog)
https://blogs.nvidia.com/blog/what-is-retrieval-augmented-generation/

RAG 101: Demystifying Retrieval-Augmented Generation Pipelines(NVIDIA Developer)
https://developer.nvidia.com/blog/rag-101-demystifying-retrieval-augmented-generation-pipelines/

Explainer: What Is RAG?(NVIDIA Developer)
https://developer.nvidia.com/blog/explainer-what-is-retrieval-augmented-generation/

Introducing the Model Context Protocol(Anthropic)
https://www.anthropic.com/news/model-context-protocol

MCP Architecture / Concepts(modelcontextprotocol.io)
https://modelcontextprotocol.io/docs/concepts/architecture


4. すぐ使える事例の紹介(写経できる“型”だけ)

4-1. 社内FAQ(RAG×MCPの最短テンプレ)

これを作ると何がいい?

  • 経費・勤怠・IT窓口・社内規程の質問に根拠つきで即答できるようになる!
  • ついでに関連フォームを自動で開くところまで一気通貫で実行できる!

用意するもの

  1. 社内資料の束(最新版のみ):経費規程・勤怠ルール・IT手順書 等
  2. チャンク済みデータ:見出し単位(1〜3段落)、表は行/セル単位
  3. メタデータ:更新日/版/機密/部門 を明記
  4. ベクトル検索:Top-k=3〜5+MMR(似すぎ回避)
  5. MCPツール
    • Drive:ファイル検索(閲覧のみ)
    • Forms/ワークフロー:申請フォームを開く(URL発行のみ)
    • (重要操作は人の確認を入れられる設計)

MMRって?

一言でいうと

MMRは「似すぎる候補を避けて、バラけた良い根拠を選ぶ並べ替えルール」です。
関連性(質問との近さ)だけで上位を並べると、ほぼ同じ内容がズラッと並びがち。
MMRは、関連性の高さとお互いの違い
のバランスを取って、被らない根拠セットを作ります。


なぜ必要?
  • ベクトル検索は「近いもの」を取るのが得意 → 結果が同じ話ばかりになりやすい
  • 回答に使う根拠は、別角度の情報が混ざった方が信頼性が上がる
  • ユーザーが読む量も少なく分かりやすくなる

たとえ話

友だちに観光スポットを3つおすすめするとき、
「全部“海”」より「海・山・街」みたいにバラけた方が嬉しいですよね?
MMRはこの“バラけ”を自動でやってくれます。

会話の流れ(RAG→MCP)

  1. ユーザーの質問: 「通勤費の申請期限は?」
  2. RAGがやること
    • ベクトル検索で規程の該当見出しをTop-k取得
    • 出典名/見出し/更新日/抜粋を添えて回答
  3. MCPがやること
    • 「申請する」を選ぶと、権限:閲覧のみのDriveから最新版フォーマットを確認
    • 申請フォームを自動で開く(URL提示)

出力=AIの回答テンプレ(例)

  • 結論:通勤費の申請期限は 毎月●日 です。
  • 根拠人事_経費規程_v3(更新日:2025-04-01) > 第2章 交通費 該当文:「申請は毎月●日までに行うこと」
    場所:社内Drive / 規程フォルダ
  • 次の一歩[申請フォームを開く](MCPツール実行)

まずやること(To-Do)

  • FAQ 50問をスプレッドシート化 → 各問に正解URL・更新日を紐づけ
  • MCPのメニューを2つだけ有効化:ファイル検索(閲覧)/申請フォームを開く
  • 2週間で根拠つき正答率/一次回答率/削減時間を計測(最低この3つ)

この仕組みは問い合わせ対応にも応用できますね!

例えば、

「〇〇という取り組みを考えているんだけど、使えそうな補助金はある?」

という見込み客からの質問に対して、前もってRAGに各補助金の公募要領を読み込ませておけば

はい、あります。〇〇補助金と××補助金が候補としてあります。
あなたの会社の設立年や社員数、資本金額をお送りいただければ申請の対象になるか、ご判断してお返事します。

といった回答ができます。

MCP機能を利用して、無料面談などの予約を受け付ければ、ユーザー側も時間を無駄にしなくて済みますよね!


4-2. 営業/CS向けドキュメントQA(回答+起票・通知まで)

これを作ると何がいい?

  • 製品仕様の質問に根拠つき回答を返し、必要ならチケット起票Slack通知まで自動化できる。

用意するもの(最小)

  1. 資料:製品仕様書、リリースノート、トラブルシューティング、FAQ
  2. チャンク&タグ:モジュール名/バージョン/更新日
  3. ベクトル検索:ハイブリッド(キーワード合致性50%、意味の地近さ50%とかで設計)
  4. MCPツール
    • Wiki/ナレッジ:閲覧のみ
    • チケット:作成/状態更新(限定)
    • Slack:特定チャンネルへ通知

会話の流れ(RAG→MCP)

  1. ユーザー: 「v2.1 からTLS設定は必須になったの?
  2. RAG
    • ハイブリッド検索で「v2.1」「TLS」など固有名詞も拾う
    • 仕様書/リリースノートの該当箇所を根拠つきで要約
  3. MCP(必要なときだけ):
    • 問題として記録」を押す → Jira/Zendesk等にテンプレ起票
    • 併せてSlack#cs-issuesに通知(要約+根拠URL)

出力テンプレ(例)

  • 結論v2.1 以降はTLSが必須です。
  • 根拠製品仕様_v2.1(更新日:2025-02-14)> セキュリティ設定 > TLS 該当文:「v2.1 からTLS有効化をデフォルトとする」
    場所:Wiki / 製品仕様(閲覧のみ)
  • 次の一歩[チケットを作成](影響範囲:A社、期限:本日+3日)/[Slackに共有](要約+根拠URL)

まとめ

今回は、少しむずかしかったかもしれないけれど


RAGとMCPの“仕組みと構造”を知ったうえで使うかどうかで、使いこなしの深さは本当に大きく変わります。

RAGは「どの資料を根拠に答えるか」を設計でき、

MCPは「どの道具に、どこまで安全につなぐか」を設計できる


仕組みがわかると、正確さ・スピード・安全性を自分で調整できるようになります。

この先も、AIを“仕組み理解ベース”で使いこなす人が仕事を前に進めます。
「なんとなく使う」から一歩抜け出して、今日から小さく試してみましょう。


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